2017年03月29日

気ままにビジネス英語論 その2


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コミュニケーションの場で、とりわけビジネスで英語を用いる際に「英文法」の価値はどういった点にあるのだろうか。私自身、仕事上で英語を使う際に「文法」を意識しているかと言われれば、正直そうでもない。実際のところ、文法について考える間もなく会議の話題は次々と進むし、正確な表現や言い回しに注意を向ける余裕もほとんどなく、英語を聞いたり話したりしなければならない状況に置かれている。そうは言っても、英文法を活用できる機会はあると思うし、英文法を学んでおく価値はあると考えている。



英語を外国語として学んだ人が、ビジネスの場で英語を用いる際には、定型句やセットフレーズ、一部の単語を入れ替えて使える構文をできるだけストックしておくことがまずは必要となるだろう。英語を話すのが流暢な人ほど、すぐにでも使える英語表現のストックをたくさん持っているように思われる。"Hello.""Hi.""Thank you""Nice to meet you"に始まり、"Let's get started~""as you said earlier~""We are supposed to~"といった表現が瞬時に言える(聞ける・読める)ことで、コミュニケーションが円滑になる。



では、伝えたいことを表すのに、自身のストックの中にふさわしい定型句やセットフレーズがなかったり、単語を入れ替えて使えるような構文がない場合にはどうしたらよいか。こういったときには、日本語を補助的に使って、伝えたい内容やメッセージを明確にすることが必要だ。その上で和文英訳的に表現する。大切なのは伝えたい内容の中身・概念であって、表現や言い回しはとりあえず脇に置いておくことにする。頭の中で行われるこういった作業には、練習や慣れが必要であると思う。



英文法を学んで良かったと思うのは、学んだ文法項目を手がかりとしながら、伝えたい内容を英語にできないかどうかを考えてみることができる点である。自分の頭の中にある文法項目の目次(リスト)から、いわば逆引きの手順で伝えたい表現を探ってみるわけである。これはネイティブスピーカーにはない発想かもしれない。例えば、何か伝えたいことがあったときに、ネイティブスピーカーが「よし、これを動名詞を用いて言ってみようか」などと意識することはほとんどないだろう。おそらく彼らは無意識のうちに動名詞を当たり前のように使っている。私の場合で言うと、「ここではit is…that~が使えるかも」とか「not A but Bの相関表現を使えばうまくまとまりそうだ」といった具合に、英文法の観点から言い回しや表現を検索してみることが多い。つまり「英文法」をアウトプットのためのヒントとして活用している。



「どういった文法事項がビジネスにおいて役に立つか」という独断と偏見による私のランキングによると、以下のものが上位に挙げられる。

「助動詞」 ←丁寧さや・語調に関わる

「数量・頻度・程度・比較を表す表現」 ←ビジネスでは当然、数値に間違いがあってはならないので

「論理関係を表す副詞や接続詞」 ←わかりやすい説得力のある英語を書いたり話したりするため



学習の初期段階においては、語順を理解するために「文型」を意識したり、よく使われる「動詞の語法」を重視していたが、そこそこに通じる文が作れて、コミュニケーションがなんとか取れるようになってくるとこれらはあまり意識しなくなった。次へのステップとして、豊富な語彙力や表現力を身につけることが必要となるが、それらが身につくのを待ってはいられない。また明日にも英語でコミュニケーションを取らなければならないのだ。語彙や表現の勉強に比べると、文法の勉強は比較的短期間で整理しておこなうことができるので、これを活用しない手はない。「英文法」が語彙力の不足分を補ってくれることもあれば、内容をよりわかりやすい簡潔な表現へと整えてくれることもある。例えば、「物価が3倍上がった」と伝える場合。差異を表すbyを用いると、Prices have increased by three hundred percent.と簡単に言うことができる。



文法上の理屈やニュアンスを理解するためには、『発信型英語スーパーレベル英文法』(植田一三著)が参考になる。


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ビジネスでコミュニケーションをする際には、同僚との関係、顧客との関係、取引先との関係といった様々な関係性のなかにおいて適切な表現が求められる。それと同時に、事実や用件をわかりやすく伝えることも大切である。そういったビジネスの場で想定される例文集・表現集として、TOEICの問題は秀逸であると個人的に思っている。TOEICのなかには明日からでもすぐに使えるものがたくさんある。



公式TOEIC Listening & Reading問題集(1) [ Educational Testing ] - 楽天ブックス
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公式TOEIC Listening & Reading 問題集2 - 楽天ブックス
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英文法は機器の取扱説明書のようなものだといえるかもしれない。学習初期においては、ガイダンスやイントロダクションの役割を果たし、その機器が自由に使えるようになってからは、必要な項目の検索やより応用的な使い方を求めて活用することができる。第2言語として英語を学び、自律的な学習者になるためには、何らかの機会に英文法を学んでおくことが必要である。「英文法」が学習の面でも実用的な面でも、大きな支えとなってくれるはずである。私個人の目標は、単語、定型句、セットフレーズ、文法を区別なく無意識のうちに使えるようになることであるが、そのためにはまだまだ時間がかかりそうである。

















There is no top. There are always further heights to reach.
―Jascha Heifetz
(頂点などない。常に、到達すべきさらなる高みがあるのだ。)


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2017年03月25日

気ままにビジネス英語論 その1


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最近、英語のネイティブスピーカーと仕事上の打ち合わせをする機会が増えてきた。そのおかげもあってか、以前に比べると、英語を聞いたり話したりすることに対する恐怖感はだいぶ取り除かれたように思う。やっぱり「慣れ」は大切な気がする。



ビジネス英語というと、TOEICを思い浮かべる人も多いだろう。TOEIC試験会場での受験者アンケートのなかには「言語能力のうちもっとも重要視しているのは何ですか?」といった項目があるのだが、私はもっぱら「リスニングとスピーキング」と回答することにしている。仕事をする上で、もっとリスニング力とスピーキング力があればなぁ、と日々感じているからである。



リスニングについてだが、仕事上、そもそも相手の言っていることが理解できないと打ち合わせすることすらできない。「わかったふり」でごまかすことが全くないとまでは言わないが、それによって信頼関係が崩れ、仕事に悪影響が及ぶことを私はむしろ恐れる。パーフェクトなリスニング力があったとしても、仕事のなかではよくわかならい部分は必ず出てくるものである。そういったときの不明点の確認、あるいは自分の理解が正しいものだったかどうかの確認。これらが非常に重要だ。信頼関係の構築といった観点からいうと、「あいづち」もまた有効かもしれない。あなたの言うことを理解していますよ、納得していますよ、といった意思表示は話す相手に安心感を与えるからである。つまり、スピーキングについては「確認」「あいづち」の2つが適切にできることが、私の場合は必須であるともいえる。



さまざまな場面ごとにまとめられた英語表現集をよく見かける。高校の英語表現の教科書もよくまとまっていて使い易い。先に述べた「確認」「あいづち」以外にも、「依頼」「提案」「許可」「謝罪」「感謝」などを言語の機能別に学ぶことができる点が便利だ。こういった機能別のアプローチから英語を勉強することも大切であるということに、ようやく最近になって気づき始めた。



さて、仕事上で英語を使う際には少なからず、「このことを伝えたい」「私の気持ちをわかってほしい」といった情念??のようなものが心の奥底に絶えずある。英語が伝わらない・・・といったような状況で気まずさや絶望感に襲われたことは数え切れない(※)。しかしながら、このような苦い経験こそがスピーキング力を伸ばすためのエネルギーとして生かすことができるのは事実である。私のスピーキング力は拙いものではあるが、この根源的な「なんとか伝えたい」「わかってほしい」というコミュニケーションへの渇望こそが、スピーキング力を高めていく起爆剤になり得ると思うようになった。あの場面ではなんと言ったら分かってもらえただろうか・・・などという振り返りが次へのステップとなる。なんとかして伝えたい、または伝えなければならないといった切迫した情況が成長を促すのである。留学して英語を学ぶ意義も当然そういったところにあるだろうし、チャットやオンライン英会話もそう。中には愛する人とのコミュニケーションを通して英語を学んだといった羨ましい…人もいるかもしれない。私に関して言うと、仕事で冷や汗をかきながら四苦八苦して英語を使ってコミュニケーションを取ることがこれにあたる。



(※)英語が伝わらない大きな原因としては、そもそも「話す声が小さい」ことが挙げられるかと思います。単語にストレスを置かないで発音している場合にはさらに伝わりにくいでしょう。「自信がないから小さな声で言う」→「何を言っているかわからない」といった失敗例は散見されます。すぐできることとしては、知っている単語をとりあえず大きな声で言ってみること。1単語にこだわりすぎず、できるだけ多くの単語を次から次へと言ってみることを意識すると、伝えたい内容を相手が想像しやすくなると思います。これは英語だけに限ったことではないかもしれませんが。私の同僚はよく「おまえの言いたいことはこういうことか?」と親切に言い換えてくれます。



ところで近頃は、コミュニケーションの場における「英文法」の価値について改めて考えてみることが多くなった。実際は「文法」を意識する余裕などほとんどなく英語を話していることが多いのだが、ビジネス英語で「英文法」をどういうふうに生かせるかということに関して、次回は私見を述べてみたいと思う。




















Children don't come into the world knowing how to fight and to hate. They learn how to hate.
―Desmond Tutu
(子どもは戦い方や憎み方を知りながらこの世に生まれてくるのではありません。子どもは憎み方を学ぶのです。)


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